シナリオの作り方6 終わりは決めない

 いろんな講座を見てて思ったのですが、「終わりを決める」っていう意見が多かった気がします。
 私はあんまりそう思ってません。理由は慣れない人がそうやって作ると、吟遊マスターになる可能性があるからです。確かに、着地点を決めるのは大切です。でも、そこにこだわりすぎると足元がお留守になってしまいます。下手をすると、PCもNPCのお人形さんになってしまいます。GMからさせられている。そういう展開をさせると、PLは退屈してしまいます。最初のうちはいいのですが、あまりそういう展開をやりすぎると、卓に入るのを避けられてしまうこともあります。
 私の持論ですが、ある程度シナリオが出来たら自分が持っているPCで脳内プレイをやることですね。そして、NPCやPCがシナリオの予定通りに進まなかったら、シナリオに欠陥があるってことです。PCが動かないんだったら、NPCの感情移入が出来ていない可能性が高いです。その場合はNPCの設定を固めていくなり、感情移入をできるようなシーンを使ってPLに印象付けるのもありです。
 問題はNPCが全然動いてくれないケース。このケースが大変です。下手をするとシナリオを作り直す可能性も発生してきます。まずはどう動かないかを考える。NPCがシナリオに沿った行動をできないんだったら、NPCの設定を見直しましょう。設定が甘いとイレギュラーには対処できませんし、行動が薄っぺらくなってしまいます。ただ、必要のない設定は外に出す必要はありません。つか、余分な設定は出す必要はありません。頭の中で動いてくれるだけのバックボーンが欲しいだけなのです。
 どういう意味かというと、仲のいい友達を想像してください。その人が不良に絡まれている人を見つけたシーンを考えてください。人によって「人を呼ぶ」「助けに飛び込んでいく」「見なかった事にする」とかいろいろあると思います。でも、「アイツだったらこんなことしないよね」って行動あるじゃないですか。
要は、アイツだったらこうするだろう。って行動を考えれるくらいに設定を固めろってことです。そうやって調整した後、シナリオどおりに動いてくれないんだったら、頭の中でとりあえずやれるところまで、フルアドリブでやってみてください。その結果シナリオが別物になったら、別物になったシナリオでやるか、シナリオに予定通りに動くまでNPCの調整を繰り返すかですね。あえて落としどころはNPCに任せる。それがオレの作り方ですね。NPCが動くことによって動くシナリオはPLとしても、NPCとのやり取りってのは楽しいもんです。あえて結末をつけずNPCの行動にあわせて結末にたどり着く。それが俺のやり方です。